インフルエンザとエボラ出血熱に有効な薬のメーカー

新薬の開発イメージ

西アフリカで猛威をふるうエボラ出血熱は、かつて致死率90%と言われたこともありました。早期に治療を開始することで、現在では60%~70%程度まで下がったとされていますが、恐ろしい感染症であることに違いはありません。いまだに確実な治療薬もワクチンもないため、人類に対する大きな脅威になっています。
世界各国で、さまざまな新薬がエボラ対策として開発されています。なかでも有望と見なされているのがファビピラビルです。この薬は日本のメーカーと大学が共同で開発しました。ただし、もともとエボラではなく、インフルエンザの治療薬でした。ウイルスのRNAの複製を阻害して繁殖を抑える効果があり、耐性ウイルスにも作用するという特徴があります。そのためインフルエンザの特効薬として期待されましたが、催奇形性という副作用が見つかり、大規模に市販することはできなくなりました。
この薬はエボラウイルスやノロウイルスにも効力を発揮すると考えられ、動物実験だけでなく、患者に対する臨床試験も行なわれています。その結果、エボラ出血熱の死亡率が大きく下がったという報告があります。他方、感染してから一定時間が経過すると、効果がないとも言われています。実際に服用して完治した感染者も存在しており、備蓄薬としての準備も始まっています。
インフルエンザの治療薬として利用できるのは、他の薬が効かない場合に限られていますが、意外なところで病気との戦いに貢献した形になります。今後は一般への販売が認められるかどうかが課題になります。ただし催奇形性があるため、妊娠した女性や妊娠の可能性がある女性(およびパートナー)には使用できない点に注意が必要です。